復活!お天気バンバン

お久しぶりに復活なのです。なーにかお天気についてわからないことがあったら
「ひとことボード」でも「メッセージボード」でも「メール」でもいいので
どしどし質問してくださいね〜っ! お待ちしております。


●翌日が晴れの日には「綺麗な夕焼け」、翌日が雨のときは「綺麗な朝焼けが」見れるそうですがどうして?(福山市 ヒゲさんからの質問)

「夕焼けは明日晴れ」 「夕焼けは晴れの兆」 「朝焼けは雨、夕焼けは日和」 「朝焼けがしたら川向こうへ行くな、夕焼けがしたら鎌をどけ」など、朝焼け・夕焼けとお天気を歌ったことわざはいくつかあります。
一般的にお天気は西から東へと移っていきます。空が夕焼けで染まるというのは、はるか西に悪天候をもたらすような雲がないという証拠。だから翌日の晴れを約束しているといってもいいでしょう。
一方朝焼けは、東の空が晴れている証拠で、西の方からは好天を追いかけて低気圧が近づいてくることが多く、このため雨が近いと言われています。
ただ、どちらも理屈上では当たっているけれど、それを鵜呑みにすればいいというわけではありません。
例えば、夕焼けが出ていても晴れないことはあります。西や頭上の空に雲が広がっているときには注意をしなければなりません。これらの雲が低気圧の前面にあらわれる巻雲や巻積雲などであれば、同じ夕焼けでも明日は崩れるかもしれないと予想されます。晴れる夕焼けと、晴れないかもしれない夕焼けがあるということを理解しなければいけませんね。
夕焼けの翌日に晴れとなる確率は70%、朝焼けの翌日に雨となる確立は60%だそうです。

参考文献/明日の天気がわかる本(新星出版社)、実践的お天気入門(山海堂)



●北海道にはなんで梅雨がないの? (福山市 ヒゲさんからの質問)


オホーツク海高気圧からの冷たい湿った空気と南の太平洋高気圧からの暖かい湿った空気が衝突して出来る梅雨前線。この前線がやってくると各地で梅雨が始まります。5月中旬頃に沖縄から梅雨が始まり、約1ヶ月かけて東北北部までが梅雨に入ります。
これは、夏になるにつれ太平洋高気圧の勢力がしだいに強まり、梅雨前線を押し上げるからです。

じゃあ、そのまま太平洋高気圧の勢力がもっと強くなれば、北海道も梅雨入りするじゃないか?ということですよね。

梅雨前線ははじめにも述べましたが、オホーツク海高気圧と太平洋高気圧の衝突によって形成されています。太平洋高気圧の勢力が強くなると、オホーツク海高気圧の勢力は衰退し、前線の形成に必要な湿った空気の供給が少なくなってきます。この状況が起こるのが北緯40度(秋田辺り)くらいで、このあたりまで前線が北上すると活動が弱まりしだいに消滅します。つまり、日本列島の北緯40度以北の地方では、この頃の雨季は不明瞭で、このため北海道には梅雨がないとされているのです。


参考文献/最新 気象の辞典(東京堂出版)



●海に行ったとき、入道雲を見たらスコールが近いと聞いたのですが、本当なのでしょうか?
(トミー君からの質問)

いわゆる夕立ですね。夏の暑〜い日で、上空に寒気が入ってきているときによく起こる現象です。太陽の熱で暖められた地上の水分(海水)は、水蒸気となって浮びます。上空の空気は地上より冷たいので、この水蒸気は上昇します。上空へ上がった水蒸気は冷やされ、雨粒となってそこに浮びます。これが雲。通常のバージョンです。
で、上空に寒気が入ってきている時は、地上で暖められて出来た水蒸気の上昇が激しくなります。この現象を地上から見てるのが、トミー君が言っている「入道雲」。入道雲の中は、他の雲のように雨粒から出来ているのではなく、氷粒からなっていて、激しくぶつかり合っています。ぶつかり合った氷粒はどんどん大きくなり、ゴールフボールくらいの大きさになるものもあります。さらに、ぶつかり合うと、電気を発生するようになり(これが雷)、さらに、大きくなりすぎた氷粒は、重力にまかされて地上へ降り注ぎます(これが豪雨)。氷粒は地上に落下するまでに融けて水となります。
いかがでしょうか???
えー、あと“スコール”ってのは、先の説明のものとはちょっと違います。
スコールは、最高気温が40℃近くなる赤道付近で起こります。40℃までくると、上空に寒気があるとか無いとかの問題ではありませ〜ん。海水はそれ以上まで熱せられ上昇します。上空へ上がる水の量は半端な量ではないので、すぐに雲が出き、さらに水分を含み飽和状態となります。で、あとは重力にまかせて一気に落下することになります。
どちらにせよ、入道雲を見たら雨が降る可能性は大ってことですよ〜っ。



●梅雨の雨の量ってどうやって予想するの? (福山市 匿名希望さんからの質問)


天気予報には、6時間または12時間後を予報する“短時間予報(今日の天気)”、1週間先までを予報する“中期予報(週間天気予報)”、旬や月の気候を予報する“長期予報(季節予報)”の3つに分類され、梅雨の天気は“長期予報”での予報となります。長期予報は、1ヶ月又は3ヶ月の予報ですが、今日の天気や週間天気予報のように、毎日の天気を出すのではなく、旬や月の平均気温とか、期間内の総雨量であり、これらの値が平年に比べて高いか低いかといった“気候”での予報形式をとっています。長期予報の予想は、過去に同じような気候の変化をした年を参考にして出していて、旬や月の、平均気温が平年より「高い」「平年並み」「低い」、降水量が「多い」「平年並み」「少ない」という3カテゴリーのどれかを予報として発表する形をとっています。現在、長期予報の当たる確立は65%。うーん、まだまだといった感じ。やはり、“毎日のお天気チェックをお忘れなく”ってところかな。

参考文献/天気予報の技術(東京堂出版)




●“ひょう”って予想できるの? (長崎県 ○○○さんからの質問)


5月から6月、ちょうど春から雨季にかけての時期がひょうの季節である。ひょうは積乱雲という雲から降ります。雲には大きく分けて10種類ありますが、その中で背が高くてもっとも白く輝く美しい雲がある。これが積乱雲。積乱雲の高さは上空12キロメートルにも達することがあります。通常、雲は大気中の水蒸気が上昇気流に乗って上昇し、ぶつかり合って雨粒を作りそこに浮かんでいる状態であるが、上昇気流が激しい場合だと、雨粒ではなく、氷粒となる。気象では前者を“暖かい雲”、後者を“冷たい雲”と言っているが、冷たい雲から必ずしもひょうやあられが降るわけではない。雲の中では氷でも、地面に到達するまでに溶けて雨や雪になってしまうのが普通。ひょうの大きさは、直径5ミリ以上の氷の粒のことをいうが、時には50ミリ近い(ゴルフボールくらいの)かたまりが落ちてくることだってある。ということは、雲の中にはそのかたまり以上の氷が浮かんでいることになります。すごいですね。
ひょうの災害として国内で最大のものは、1933年6月14日、兵庫県で小石のようなひょうが降り、死者10人、重軽傷者164人、住家全壊119戸(屋根を突き破ったらしい)がある。
さて、この氷の爆弾“ひょう”ですが、予測は出来るのでしょうか? 先にも述べましたが、ひょうは積乱雲という雲から降るということがわかりました。積乱雲は激しい上昇気流が起きて出来上がるということも述べました。つまり、上空に寒気が流れ込んで大気の状態が不安定になるときや、寒冷前線が通過するときに起こりやすいということになります。
なかなか、個人的に予測は難しいですが、天気予報の解説の中で“寒気の影響で大気の状態は不安定となるでしょう”などとあった時は、可能性があるということになります。

参考文献/天気図と気象の本(国際地学協会)ほか



●雨の降り始めはご注意を!

会社や学校から帰ろうとした時、空は灰色の雲が広がって、ぱらぱらと雨が降り始めました。このままでは強い雨になりそうだ。しかし、今日は傘を持っていない。友人もいない。走って帰るしかない。数時間は雨が止みそうにない。さて、あなたならどうしますか?
これは、心理テストではありません。 ・・・が、もっと恐い、大変な選択となるかもしれない問いなのです。
雨が降っていて、走って帰るしかないのですから、回答としては“降り始めの小雨のうちに帰る”か“雨宿りして大雨になってから帰る”という選択となりますね。すごく意地悪っぽい質問ですが、実は、酸性雨の濃度と関係があるのです。酸性雨を辞書でひくと、大気汚染物質である窒素酸化物や硫黄酸化物が溶けこんだ、強い酸性の雨。森林の枯死そのほかの被害をもたらし、生態系に影響を与える。硫酸の雨。と書いてある。また、最近では、服の色が落ちたなどと、アパレルメーカーへの問合せも多くなっているとのこと。大変恐いものなのである。
さて、以上がわかったところで、先ほどの質問の答え合わせをしよう。酸性雨の濃度が極端に高いのは“雨の降り始め”である。東京の都心部で降り始めの雨の酸性濃度を調べたら、レモンジュース並だったという結果も出ている。それに比べて、どしゃ降りの雨では酸性の濃度は低かったとのこと。皆さん、今日から、雨の降り始めは避難すること。これですね。

参考文献/国語辞典、天文・気象の本(日東書院)など



●地球に降る水の量

毎秒、東京ドーム(屋内約124万立法メートル)10杯分。何でしょうか? これは、1秒間に地球上に降る雨や雪などの降水の量です。地球上には、1年間で約380兆トンもの水が降っています。海への降水も含まれていますが、これだけの量の水が蒸発し、雨や雪となって再び地上に降り注いでいるのです。380兆トンを地球の表面積(約5億キロメートル)で割ると、地球上の年平均降水量は約800ミリとなります。地球上すべてにこれ位の降水があればいいのですが、実際の降水量は地域的にも時間的にも大きな違いがあります。アフリカのサハラ砂漠のように、干ばつの起こりやすい地方も、バングラデシュのように洪水が起こりやすい国もあります。ちなみに、日本の年平均降水量は1800ミリ、年間降水量は約6700億トンで、世界でも有数の多雨国なんですよ。

参考文献/天気図と気象の本(国際地学協会)



●天気予報は命がけ

お金を出して天気を買う。そんなことする業種って分りますか? 正解は、お弁当屋さん、野球場、工事現場などなど。お弁当屋さんは、天気によって売れる数が大きく変わるので、いくつ作ればいいのか決めるために、野球場はゲームを中止するかを決めるために使う。工事現場では、雨が降ってきたとき、その雨がすぐ止むのか、ず〜っと降り続くのかで、その日の計画をたてなくてはいけません。工事現場で働く人は、その日ごとに雇い入れている人が多い。つまり、すぐ止む雨なら少し休憩していてもらって、雨があがってから工事を再開することが出来るが、ず〜っと止まない雨なら解散した方がいい。拘束すると、それだけお金がかかってしまうことになるのだ。天気によってお金が動く、少しでも損をしたくない人たちが、天気を買っているのである。今のところ天気予報のあたる確立は70%、残りの30%はハズレの確率。そこで、この世界に勝負をかけて挑むのが気象予報士なのである。お金を頂いて予報を出すわけだから、もちろんはずすわけにはいかない。さらに、天気予報が出している広範囲の中での予報ではなく、その場所、一地点なわけだからその予報はかなり困難なものになる。“ところによって一時雨が降る見込みです”などといった“ところによって”とか“見込み”などという文句は使えないのである。まさに命がけ。
いくら気象予報士でもよく分らないときもある。“この雨はいつごろ止みますか?”の問いに、サイコロを振ることもあるらしい。

参考文献/天文・気象の本(日東書院)など



●1ミリ未満の雨ってどのくらい?

“1ミリ以上の雨の降る確率は□%です。”天気予報を聞いていると必ずこの言葉を耳にします。“今日は70%だから傘を持っていこう。”“20%だから大丈夫だな。”雨の降る確率は毎日の生活にすご〜く関わっています。しかし、それは1ミリ以上の雨が降る確率の話。雨の降る確率が0%でも降るかもしれない1ミリ未満の雨ってどのくらいなんでしょうか。傘は必要になるのでしょうか。分りやすく1ミリの雨でおこたえしましょう。
 1ミリの雨とは、流れ去らずにそこにたまったとしたら、1ミリの深さになる雨の量です。つまり、1平方メートル(1mの正方形)に1リットルの水がたまるということになります。1ミリの雨が
  1分間に降ると特に強い雨(傘必要)
  10分間に降ると並の雨(傘必要)
  30分間に降ると弱い雨
  60分間に降るとごく弱い雨
ということになります。どのくらいの時間で降るかで傘がいるのか、いらないのかは決まってきちゃいますね。

参考文献/最新天気予報の技術(東京堂出版)、新・天気予報の手引(日本気象協会)