マーくんの「本を斬る」のコーナー   VOL.8


1.選挙について考えよう!

 ひさびさです。唐突ですが「福山市長選」が終わりました。これを機に選挙について考えてみましょう。

 

2.憲法15条をみてみよう!

選挙の本質は憲法15条の第四項に規定されております。それは、 「すべての選挙における投票の秘密はこれを侵してはならない。選挙人はその選択について公的にも私的にも責任を問われない」です。パッと見ると何の変哲もない規定のように思いますが、よく考えるとものすごく無責任です。例えば多数の人がAという政治家を選んだとしましょう。この政治家が汚職とか自分の立場を利用して犯罪を行なった場合、Aを選んだ人はまったく責任を問われないことが憲法によって保障されております。「選挙人は日本の将来を考えて、責任をもった選択をしなければならない」とか、よくわからない政治評論家がテレビでしゃべっておりますが、本当に責任ある選挙を行なったらどうなるんでしょうか。

 

3.本当に「責任ある選挙」が行なわれたらどうなるか。

 本当に「責任ある選挙」が行なわれたら大変です。Aを選んだ何十万という人は責任をとって刑事罰を受けます。刑務所がすぐ一杯になりますね。そうなったらみんなかなり真剣に投票しますよ。良い政治家が出てくるかもしれませんが、私だったら投票に絶対にいきません。国民は国家の主権者でありながら、責任を負わせるわけにはいかない、民主主義は「人間は所詮有限の責任しかとれない」という逆説からなりたっています。

 

4.たまにはマンガを読みましょう。

 今回はマンガを紹介します。モーニングに連載されていた、青木雄二 著 「ナニワ金融道」です。いうまでもなく有名なマンガなので詳しくは言いませんが、まず絵が良いです。闇金融のドロドロとした内容なので、あの幼稚ともいえるタッチがかえって合っています(スクリーントーンも一切無し、実はかなり時間がかかる絵です)。
 このマンガを見ると、いつも映画「仁義なきたたかい」を思いだします。ヤクザの親分、菅原ブンタはかっこいいですが、実際ヤクザの人とは関わりたくない。家とか安全なところにいて、アウトローの物語を楽しめます。そういった意味で、ナニワ金融道は沢山の「悪党」がでてきますが、社会の裏では実際にあることなんでしょう。悪徳政治家や選挙の裏側も出てきます。「人間というのは、悪いことをするんだよな」と改めて再確認できます。
 青木雄二さんは残念ながらもうお亡くなりになりましたが、今一度読んでみたらどうでしょうか。

 

※ 資料

日本国憲法第15条第4項

すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。