企業NOW  山栄建設

健康住宅で快適環境提供
ショールーム拠点に新分野開拓へ

 土木、建築の二部門を手掛け確実にあゆんでいる。その建築部門で健康に良いと関
心が高まっている「高断熱・高気密住宅」の施工販売に乗り出し、一号住宅を芦品郡新市
町に完成。8月19、20日の両日、体験フェアを開催した。「二日間で380人が来場。健康
志向の波は住宅にも着実に押し寄せている」山本敏史社長はユーザーの関心の高さを肌
で感じ、高齢化社会の加速をもにらんだ新住宅販売への滑り出しは順調とみている。

 設立は昭和44年、当初から備後地方を中心に両部門を手掛けている。土木部門は、国
県、市町村などの河川、道路など官工事が大半。建築部門は一般住宅、アパート、店舗
などフィールドは広い。売上げ比率は設立以来半々で推移している。建築部門での積極
展開は、公共工事がほとんどの土木部門が自助努力だけでは伸ばせない部分が多いから
だ。しかし、売上げ比率からみても一方の柱であることは確か。
 
 「現状(土木部門)を維持し、新住宅の販売に力を注ぐことで全体の底上げができれば」
山本社長が描いている企業戦略である。

 同社が取り扱っている「高断熱・高気密住宅」はホクシンハウス(長野県)が開発した「FB」
「FBS」工法によるもの。キヤッチフレーズは”呼吸する住宅”そのFB工法とは、建物の外
壁材を熱や湿気に強い断熱材(SCフォーム)で包み込み、柱や壁などを室内と同じ温湿度
にする工法。これに太陽エネルギーを集熱するソーラーシステムを付加したのがFBS工法
という。

 さらにSCフォームをけた上部に敷き込むことで一般住宅の10倍、プレハブの約5倍という
超高気密を実現。この高気密性を生かし、天井裏に熱交換型換気扇を設けて冬は冷たい
外気を暖め、夏は冷やして室内や床下に送り込む。このため、冷暖房の省エネを向上。
同社はこれに中国電力が推進している200Vをキッチンなどに使用した電化住宅とした。
住宅自体は一般木造住宅。

 見学会の舞台になった一号住宅に続き、新住宅のショールーム(延べ約250m2)を
福山市御幸町に建設しており10月オープンする。ここを拠点に山本社長が新分野とする
”健康住宅”の研究、開拓(販売)に取り組んで行く方針。

 「安全・安心・暖かい」が同社のモットー。「新住宅への取り組みは、単なる業務拡大でなく
高齢者などにやさしい住宅をつくること」山本社長は快適環境を提供していくことを強調した

会社概要 山栄建設(株)
所在地 広島県府中市本山町530−114
設立 昭和44年
資本金 1500万円
代表者 山本敏史
従業員 38人
売上げ高 8億5000万円(昨年度)
事業内容 土木・建築・舗装・設計施工

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