日本住宅新聞 3月5日 第1138号

「広島の山栄建設が」
【電化住宅建築作品コンテストで5期連続入賞】
「体の不自由な母が 動けるようになった」



「建築主に幸せを感じさせ、喜んでもらえたら住宅建築を請け負う
地場工務店にとってこれほど嬉しいことはない。まさに工務店冥
利につきる」 こう答えるのは広島県福山市で住宅建築請負業を
している山栄建設(株)(山本敏史社長)に勤める建築・設計部長
の山本秀明さんだ。

山本さんが設計し、建築した住宅に住むお客さんから「身体の不自
由な母親(70歳代)が、住んでから一週間足らずで、一人でトイ
レに行けるようになりました。顔色も良くなり、本当にありがとう
ございました」と感謝されただけではなく、その住宅が中国電力主
催の「電化住宅建築作品コンテスト2001」に入選し、地域の話
題になっている。

同コンテストは「人・環境・未来にやさしい電化住宅」をテーマに
中国五県内で竣工された住宅を対象に、安全性、快適性、省エネ性
設計の自由性を競うもので、第五回に当たる今回は百三十六点の応
募があり、その中から入賞したのが、山本さんが設計し建築した
”平松邸”だ。

さらにすごいのは、同社が五期連続入賞したこと(五期連続は同社が
初めて)だ。

今回入賞した”平松邸”は、歩行困難な70歳代の母親と娘の二人暮
らしの住宅で、娘が働いているため、日中、母親が安心して暮らせる
ようにバリアフリーにすると同時に、健康を回復できることを基本コ
ンセプトに設計したという。

具体的には
@家じゅうが温度差が無いように外断熱、二重通気工法で床下暖房を
採用。
A二階にリビングや水廻りを配置し、二階全体をワンルームとして使
えるようにした。
B積極的に陽光を取り入れ、明るい部屋にした。
C娘が仕事で不在の時でも自立した生活ができるように、ホームエレ
ベーターを設け、高さが調節できる洗面台や各所に手すりなどを設け
バリアフリー設計とした。
D料理中にヤケド等しないようにIHクッキングヒーターにした―な
ど。

お客から感謝されて山本さんは「お客様の思いが実現して本当によかっ
た」と涙ぐんでいた。

なお、コンテストの表彰式は三月七日、中国電力本社で行われる。


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