経済リポート 2002年9月10日号

脱皮を阻み巣ごと根絶
山栄建設 モニターも募る

安全・確実にシロアリを防除

山栄建設(株)(福山市御幸町1144−3、山本敏史社長、рO84−955−7700)は、
居住者の安全性を高め、環境への負荷を抑えるシロアリ防除システムを導入、新設の
事業部「しろありバスターズ」で需要開拓に乗り出した。

家の周辺に埋設した脱皮阻害剤入りのエサを働きアリに持ち帰らせ、成長を止めることで
巣ごと根絶させる方式で、床下や基礎に強力な薬液を大量に散布・塗布し、シロアリの侵
入を防ぐ従来のバリアー方式に比べ、安全で確実という。

米国のメーカーが開発した「セントリコン・システム」で、00年7月には、同国政府が制定する
具r−んケミストリー(環境にやさしい化学)分野の最優秀賞にあたる「環境栄誉賞」を受賞。
米国では3割のシェアを占め、ホワイトハウスや自由の女神像などで採用、日本でも神社仏閣
や公共機関などで採用されている。

敷地を調査してシロアリの活動範囲を確認し、約3m間隔にエサ木を埋め、働きアリを結集させ
た後、ごく微量の薬液を含んだエサを投与すると年7〜8回の脱皮ができなくなり、シロアリは
連鎖的に死滅し、やがて数百万匹ともいわれる巣全体が壊滅するという。
食べた直後に死なない(遅効性)のため、警戒力が働かない。

薬液の量は従来工法の0.1〜0.2%で、脱皮生物だけに作用し、動植物には無害。
埋設のカプセルは施錠し、開発元の認定した専門技術者が1、2ヶ月おきにチェック、
再発生などを見張る。費用は従来と同程度。

もどる