ビジネス情報 平成11年3月20日

快適な住まいづくりに高い評価
―電化住宅コンテストで2年連続入賞―

通気層で家全体を一定温度に 
府中市・山栄建設


山栄建設(株)(府中市本山町 530−114、山本敏史社長、
(0847−41−5166)が展開している高断熱・高気密の省エ
ネ住宅 FB工法の家が好評だ。

中国電力主催の電化住宅コンテストで2年連続の入賞を果た
すなど業界からの高い評価に加え、冬は暖かく夏は涼しいと
住み心地の良さも評判になっている。

長引く不況の中でも受注を増やし、現在も6棟が着工待ちだと
いう。

同社が高断熱高気密住宅事業部を置く福山市御幸町の展示
場を訪れた。

少し肌寒い日だったが、モデルルームのドアを開けると、春の
陽気に包まれた。

足の裏からも暖かさが伝わり、快適さを実感。ふんわりとした空
気には暑苦しさが感じられない。

FB工法は北信商建(株)(長野県上水内郡)が開発、山栄建
設では平成7年から導入した。

外壁の内側に通気層(アウターサーキット)を設け、その内側に
SCフォームという熱にも湿気にも強い断熱材を組み込む。さら
にその内側にも通気層(インナーサーキット)があり、二重の空
気層で家全体を包み込んでいる。


省エネ、冷暖房費も節減

冷暖房した空気がインナーサーキットを循環。床、壁、天井から
のふく射方式で家中の温度を24時間快適な状態に保つことが
できる。

廊下、風呂、トイレに至るまで温度の差がほとんどないから、家
の中の移動がとても楽。

真冬でも深夜電力を利用した蓄熱式暖房機があればじゅうぶん
で、冷暖房費も大幅に節約できるという。

建設費は通常の工法の1〜2割増しになるというが、付加価値を
考えれば決して高いものではない。

また、高気密住宅につきものなのが計画換気。従来の方式では
室内の空気と外気を入れ替えるだけだったが、排出する室内空
気のエネルギーを新鮮な空気に移し替える熱交換換気システム
を屋根裏に設置しているので、無駄の少ない温度維持が可能に
なり、家じゅうがクリーン。


家屋の”長寿”にも効果

高断熱・高気密住宅はもともと、湿気の少ない北海道などで発
達した工法。その技術だけをそのまま本州に持ち込んでも通用
しない。

中途半端な高気密高断熱では、壁の内部など目に見えないとこ
ろに湿気がたまり、家の寿命を縮める一番の原因になる。

その点、FB工法は循環する空気が構造材の湿度を適度に調
節するので、住まいが長持ちするという。まさに”呼吸する家”だ。

柱などの構造材に使う木材の育成には50年ほどかかるという。
50年、100年持つ家とは、そういう観点からも考える必要がある
のでは」と山本社長は話す。

同社では設計図面からミニチュア模型を作成する。
図面だけでは完成イメージはつかみにくいが、立体化することで
より分かりやすくした。

それを基に施主との打ち合わせを進めていくので、細部の手直
しもスムーズに行え、納得できる仕上がりになる。施工後のクレー
ムはほとんどないという。

「お客様にとっては一生に一度の買い物。当然のことだと思いま
す」と山本社長。

施主との強い信頼関係も同社の強みだ。


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