功法説明
 

 ◎ 少林気功内剄一指禅   熱身法

 (一) 揺丹田  丹田を揺らす動作 

 右脚を踏み出して弓歩、左手は腰にとり、右手は掌を前に向けて右膝の外側に置く。
 意守しない。

 右手を前より上げ、真上まで上げたら掌を外側に向けて、さらに後ろに回して、元
 の姿に戻る。少なくとも20回はおこない、反転して同様に左側でも行う。

 肘は伸ばし、目は前方を見る。上体はまっすぐに、呼吸は自然に、踵は浮かさない。

 腰を中心にして回転する様な気持ちで行う。肘が曲がらない様に意識する。体半分
 は回転している様に、出来るだけ柔らかく回す。回転は、最初はゆっくり、やがて
 段々早く回す。動かす腕の力は筋力では回さない事。
 

 (二) 摩丹田  丹田を摩擦する動作 
          (桶で水を汲む動作)
 

 両足は平行に開き、肩幅に立ち、膝を曲げ、両手を自然に垂らす。

 腰を左にひねって右手を身体の前に移し、五指を自然に伸ばし、親指は外側に掌
 は右に向ける。左手は左腰の後ろになる。左掌は外に向ける。

 右手を身体に沿って引き上げる。最大限に上げた所で掌は身体に向き、腰を右に
 回しながら右手は腋の下を通して、さらに手背を身体に向けて右腰の後ろに下ろ
 す。左手は身体の前に来て、親指は体側に掌は左に向ける。

 ここから左右反対の動作を行う。左右20回。

 姿勢は正しく。目は前方を注視する。

 肘を下ろした所から体の中心(百会と会陰と両足の中央部分に下ろした直線上)
 に沿って、腕と肘がまっすぐに引かれて昇っていく様に意識する。肘が頭を越え
 たら転回して体を沈める。
 
 

 (三) 転丹田  猫が顔を洗う動作 

     注意   肝臓や脾臓の腫れている者は軽くする事。
 

 左足を前に出して、右脚に重心を置いて虚歩にする。
 右手を立てて右の太陽穴(こめかみ)に向ける。10センチ位離して置く。

 腰を左に回し、右手は顔の前を通って左の太陽穴まで回す。右手を腹部の前を通
 して降ろす。

 反転して左手を左の太陽穴に置いて、腰を右に回し、右の太陽穴まで回して、腹
 部の前を通って降ろす。20回が出来れば良いが10回程度でも良い。

 足を交代させて、右脚を虚歩にする。同じように繰り返す。
 

 (四) 圧丹田  丹田に圧力をかける動作
           (拳を折る動作)

      注意   高血圧、内臓下垂、肝臓、脾臓の肥大した患者は軽く行う。
 

 右足を半歩前に出し、右膝を曲げる。右腕は右耳の横で、上に挿し伸ばす。

 右手を握り、綱を引き下ろす様な気持ちで下に引く。同時に後ろ足を少し前に引
 き寄せ、膝と身体を伸ばす。息は迅速に吐く。

 引き下ろす時は力を入れる。呼吸は昇で吸い、降で吐く。姿勢は正直に保つ。
 回数は7回。左手に替えて7回。
 

 (五) 堤丹田  丹田を引き上げる動作

      注意   高血圧の人は禁止。
 

 右足を大きく前に出し、右弓歩になる。両手の甲を合わせるようにして身体の前
 に挿し伸ばしてから左右に分けて、さらに重心を後ろに移して両手を体横に引く。
 息は吸う。

 両拳を握り、腋の下を通して胸の前に激しく突き上げる。同時に右膝を曲げ、左
 ひざは伸ばす。息は激しく吐く。
 
 
 

   収 功

  第一節  導気

 大字(木庄)(両足は肩幅に立ち両手を体側に沿って肩の高さまで上げて腕は伸ば
 す形)から、掌を上に向け両足は寄せてつけ、両腕を弧を描いて上に上げ、額の前
 まで持って来る。この時息を吸う。次に掌を下に向け頭部から下に向けて徐々に降
 ろしていく。同時に息は吐く。意識で気が足裏の湧泉穴まで降りるようにする。同
 じように腕を再び上げながら息を吸い、額の前から息を吐きながら再び降ろす。繰
 り返す。

 注: 両手を内側に向けるとき、掌が耳に向いてはいけない。

以上の事を良く注意しながら日々練功する事を目標に、続けていくことを課して欲し
いと思います。気功とは本来、今日すれば明日は健康、という即決に結果が出るとい
うものでは決してありません。しかし、しない、と、する、では、幾年もの年月の後、
明確に差が出るのがはっきり理解出来るのです。しかし、健康な時には差ほどに思わ
ない健康の良さ、有り難さでも、いざ病気を宣告される、或いは体調を崩す、そうし
た時に心の支えとなる何かが在るというのは心強いものです。ここに記載された事柄
は、ただ読む、という行為だけでは到底理解できない深い意味を持つモノです。実践
した人だけが感じ、実践した人だけが到達できる喜び、その喜びのきっかけになるこ
とを切に願って本項を終えることにします。

 :注:

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